大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1555 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人弁護人林円力上告趣意第一点について。

記録によれば、原審弁護人林円力は、本件窃盗事件の原審第一回公判期日(昭和

二四年二月八日)について適法な召喚状を受けたがその期日所論のように診断書を

添え公判延期願を提出したこと並びにそれにもかかわらず原審裁判所は、これを許

可しないで同弁護人不出廷のまま開廷し事実審理をしたことは、いずれも所論のと

おりである。しかし、原審裁判所は、右第一回公判期日には結審せずに弁護人不出

頭の故を以て審理を続行することにし、同弁護人の希望に応じ次回期日を同年三月

一日と指定し、同第二回公判期日には同弁護人も出廷し、公判手続を更新した上同

弁護人において示談書二八通を提出したのみで何等の異議なく弁論をしたことも記

録上明白なところである。されば、原裁判所は同弁護人に対し証拠調等の請求をす

るのに充分な機会を与えたことも明白である。従つて、原審審理には何等所論のよ

うな弁護権を不法に制限した違法は認められない。それ故、本論旨は採ることがで

きない。

同第二、三点について。

しかし、記録によれば、原審は、その公判審理において、被害届、始末書その他

と被告人等の供述とを対照調査して、その措信するに足る原審における被告人等の

供述を採つて判示事実を認定し、その有罪の分については、改正前の刑法五五条の

適用の有無によつて連続犯又は併合罪として処断し、また証拠不充分又は免刑すべ

き連続犯の事実についてはその判決理由においてこれを摘示して無罪とし、改正前

の刑法五五条の適用なき証拠不充分な起訴事実については特に主文において無罪の

言渡をしたものであるから、原審判決には審理不尽、理由不備その他所論の違法は

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存しない。それ故本論旨も、すべて採ることができない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二四年一二月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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